PAYGペイメントサマリーは紙の書類としてはもう存在しません。インカムステートメント(所得明細)に置き換えられ、会計年度ごとに雇用主別の総支給額と源泉徴収税額の合計を報告します。雇用主の手元ではなくATO(オーストラリア税務署)のシステムに存在し、タックスリターンはそこから組み立てられます。
PAYG源泉徴収とペイメントサマリーは何が違うのか?
一方は年間を通じて続く処理で、もう一方はその年度末の記録です。同じ意味で使われることが多く、それが混乱の元です。PAYG源泉徴収は仕組みそのものです。雇用主が給与のたびに税金を差し引き、あなたに代わってATOに送ります。
インカムステートメントは、以前はPAYGペイメントサマリー、さらにその前はグループサーティフィケイトと呼ばれていたもので、それらの年間合計です。雇用主1社、会計年度1つにつき1通で、総支給額と源泉徴収税額の合計が記載されます。名前は歴史的な経緯によるもので、いまでも習慣でグループサーティフィケイトと言うオーストラリア人がいます。
インカムステートメントは実際どこにあるのか?
ATOのシステムの中にあり、雇用主の給与計算ソフトがシングルタッチ・ペイロールを通じて直接書き込んでいます。雇用主から何かを手渡されることはなく、なくす紙の版も存在しません。
これはバックパッカーにとって本当の改善です。国を離れても、雇用主と連絡が取れなくなっても、そもそもオンラインのアカウントを設定していなくても、記録のほうが生き残るからです。税理士はすべての雇用主のインカムステートメントを直接取得できます。帰国後に英国、ドイツ、日本から申告する人にとっての標準的な経路であり、本人が忘れていた雇用主が出てくることも珍しくありません。
確定日がなぜ提出時期を決めるのか?
雇用主が確定(finalised)としてマークするまでインカムステートメントは使える状態にならず、それまでは「Tax readyではない」と明示されるからです。通常の流れでは、雇用主は7月14日から7月31日の間に確定させます。
確定前の提出は7月に最も多く起きる自滅的な問題です。不完全な数字に対して申告書が入り、その後に雇用主が違う数字で確定させ、1回で済むはずの提出が提出プラス修正申告になります。7月下旬から8月上旬まで待てば避けられます。
雇用主が確定させなかった場合はどうなるのか?
起こります。そして予想どおりの場所に集中します。単一店舗の事業者、シーズン中にカジュアルの給与計算を回す小規模なファームやパッキングシェッド、そして一人が他の業務の合間に帳簿をつけている店舗です。7月31日を過ぎてもインカムステートメントが「進行中」のままなら、雇用主が義務を完了していないということです。
相手が義務を果たしていないからといって、あなたの義務が消えるわけではありません。その収入は依然として申告の対象で、進む道は自分の証拠から再構成することです。給与明細、賃金の入金が写っている銀行の記録、ロスター。給与明細を届いたそばから一つのフォルダにまとめておくべき最大の理由がこれです。
提出前に何を確認すべきなのか?
働いたすべての雇用主が実際にリストに載っているかどうかと、金額が実際の支払いと一致しているかどうかです。ATOのデータはたいてい正確ですが、常に正確なわけではありません。そして食い違いは、提出後より提出前のほうがはるかに安く解決できます。
特に探すべき失敗は二つです。ひとつは雇用主の抜けで、これは上に書いた確定の問題です。もうひとつは想定と合わない源泉徴収の割合です。TFNが届いていなかったために45%で回っていた雇用主も、ワーキングホリデーメーカー雇用主として未登録なので外国人居住者レートで回っていた雇用主も、どちらもここでは「15%でない割合」として現れ、どちらもその1社に還付が集中していることを意味します。
安全に提出できる時期は何が決めるのか?
インカムステートメントはあなたが作るのではなくあなたのために生成されるものなので、変わるのはそれが完全かどうかと確定しているかどうかです。安全に提出できる時期を決めるのは次の事実です。
- 雇用主が何社あったか。1社ずつ別々に確定するので、遅い1社が申告全体を止めます
- そのうち1社でも確定しているかどうか。提出できるのか再構成が必要なのかが決まります
- 給与明細を残していたかどうか。食い違いを解決できる唯一の材料です
- すでにオーストラリアを離れているかどうか。雇用主を直接追いかけるのがずっと難しくなり、ATOが保持する記録が実務上の情報源になります
- 収入の一部が現金やABNによるものかどうか。どちらもインカムステートメントには一切現れず、それでも申告の対象です
すべての雇用主のインカムステートメントは1通のワーホリのタックスリターンで精算されます。確定を待たずに、自分の総支給額と源泉徴収額の合計から還付金の試算ができます。
